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筆軸の補強

唐筆が最近なかなか手に入らなくなりましたが、ひょんなところから入手できました!決して〇〇オクではありません(笑)

 

しかし、古い筆なので軸が割れたり、毛が大量に抜けたりします。

 

そこで、軸に糸を巻いたり、筆の根元にしっかりと墨を入れたりして強化いたします。

まず、軸元に二本のラインをカッターナイフで入れ、そのラインに沿って溝を彫ります。あくまでも後で巻く糸のストッパーですので、深くは掘りません、皮一枚を剥くような感じでです。


糸で輪を創り、溝に合わせるようにしっかりと強く巻き、糸同士が重ならないように、糸で布を作るような気持ちで巻きます。巻き終わったら糸を切り、初めに作った輪に糸を通します。和の下に出ている糸と、最後に通した糸を引っ張ります。たるみがなくなったら、輪を引きずり出すように下へ引っ張り、最後の糸を中に入れます。糸同士の摩擦で、結び目を入れなくてもしっかりと止まります。

軸に糸が巻き終わりましたら、軸が割れても大丈夫なので、少しぬるま湯につけて、筆についているノリをしっかり落とします。

 

ノリでカチカチになっておりますので、力づくでほぐそうとすると、バッキっと折れてしまいますので、ゆっくり慌てず溶かしてほぐして、洗い流してください。

いったん、しっかりと軸の中の毛まで乾燥するように、2,3日は筆を乾かします。

 

次は、墨入れ。

軸の中の毛の部分に墨を吸わせることにより、しっかりと筆の根元が固まり、毛が抜けにくくなります。

 

始めに吸わせる墨は、磨った墨が良いでしょう。

その方が確実に長持ちいたします。

 

数回は磨った墨で使用することをお勧めいたします。

軸の筆名の文字や大きさや位置もバラバラ(笑)

造った工場や、時代がバラバラなのでしょうか?

 

ただ、古いので、毛は確かです。

 

現在の筆毛は、1年で刈り取るため、柔らかいけど、腰がありません。

古い毛は、3年間育てた毛ですので、太く、縮れております。

 

大切に使うことにより、長年の友になってくれます。

 

皆様も、筆を育ててみませんか。